健診異常
「健康診断」で要精査・受診指示
特定健診や職場健診で「異常あり」や「要精査」の指摘を受けられた方、素直に受診すべきなのだろうか、多忙でなかなか受診の機会が作れない、精査して深刻な病気などが見つからないか心配……など、色々と思い悩まれるかと存知ます。このページでは、健診異常にどう対応すべきか、健診指摘を今後にどう活かすべきか、当クリニックからのアドバイスを提案させていただきます。
健康診断は、自分の健康状態を知る重要な機会
健康診断は私たちの健康状態を知る重要な機会です。しかし、「異常あり」や「要精査」という結果に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。ここで大切なのは、この結果を前向きに捉え、早期の対応につなげることです。
当クリニックでは、健診結果に基づいて適切な対応を行い、皆様の健康維持・増進をサポートいたします。以下に、よくある指摘事項とその重要性、そして当クリニックでの対応について詳しく説明いたします。
- 高血圧症:高血圧は自覚症状がほとんどないため「サイレントキラー」とも呼ばれます。しかし、放置すると動脈硬化を進行させ、脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気のリスクを高めます。 当クリニックでは、現時点での動脈硬化の程度・リスクを把握するため、血圧脈波検査 を提案します。血管年齢が実際の年齢より高い方は、より急いで血圧を是正する必要があると分かります。その後、詳細な血圧測定(「血圧手帳」をお渡しすることもできますし、スマートフォンのアプリなどを利用してもよいでしょう)、生活習慣の見直しアドバイス (減塩指導、運動療法など) を提案します。もちろん、必要に応じた適切な薬物療法、定期的な検査によるフォローアップ、など循環器専門医として適切に対応させていただきますので、ご安心ください。
- 糖尿病(血糖値の異常):初期の糖尿病でも自覚症状はほとんどありませんが、早期発見・早期対応が極めて重要です。適切な管理により、深刻な合併症 (網膜症、腎症、神経障害など) を予防できます。 当クリニックでは、院内で詳細な血糖検査 (HbA1c、空腹時血糖) を即日報告できますので、持参いただいた健診結果が本当に正しいのか、健診の後の生活習慣等で変化があるかどうか、確認することができます。その上で、生活習慣改善指導 (食事療法、運動療法) や、定期的な検査によるフォローアップ、必要に応じた薬物療法 (内服薬、注射薬) の検討などを提案します。早期の段階であれば、必ずしも薬物療法を行わず、生活習慣の改善だけで血糖値をコントロールできる可能性があります。健診での指摘を良いきっかけと考え、早期に受診ください。(→ 詳細は「血糖が高い」のページご覧下さい )
- 脂質異常症(コレステロール、中性脂肪の異常):コレステロールや中性脂肪の異常は、動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めます。 当クリニックでは、高血圧と同様にまず現時点での動脈硬化の程度・リスクを把握するため、血圧脈波検査 を提案します。その上で、詳細な脂質検査、食事指導 (適切な脂質摂取についてのアドバイス)、運動療法の提案、定期的な検査によるフォローアップなどを提案します。既に脳梗塞・虚血性心疾患などを発症してしまっている方や、家族性高コレステロール血症が疑われる方などは、最初から必要に応じた薬物療法を提案することもあります。早期発見・早期対応により、多くの場合、生活習慣の改善だけで脂質異常を改善できます。
- 高尿酸血症:尿酸値が高いと、激しい痛みを伴う痛風発作のリスクが高まります。また、腎臓病や心血管疾患のリスク因子にもなります。尿酸値を確認した上で、食事指導(プリン体の多い食品の控えめな摂取など)、生活習慣改善アドバイス (適度な運動、節酒など)、定期的なフォローアップ、必要に応じた薬物療法などを提案します。早期に対応することで、耐えられないほどの痛みを伴う痛風発作を予防できます。
- がん検診での要精査:がんの早期発見は、治療の成功率を大きく高め、生命予後を改善します。当院ではCT・MRIや内視鏡などができないため対応は限られますが、受診する施設を紹介したり、連携医療機関での画像検査を直接予約したりすることで、迅速かつ的確な診断につなげることができます。遠慮なくご相談ください。
- 肝機能障害:肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、症状が現れにくいため、健診での発見が重要です。当院では超音波検査(腹部エコー) で精査を行い、原因 (脂肪肝、胆石症、肝硬変など) に応じて、生活習慣改善指導 (節酒、食事指導など) 、必要に応じた薬物療法や採血フォローを行うことができます。
- 腎機能障害:腎機能の低下も初期には自覚症状がほとんどありません。しかし、進行すると浮腫や体調不良の原因となったり、人工透析が必要になる可能性があります。当院での対応についっては、(→ 詳細は「腎臓が悪い」のページご覧下さい)
これらの対応は、あくまでも一例です。実際の対応は、個々の状況や検査結果に応じて異なります。疑問などありましたら、遠慮なくご相談ください。
当院からのアドバイス
健診結果は、より健康的な生活を送るための貴重な情報源です。「異常」や「要精査」の指摘を受けても、すぐに薬物療法が必要になるとは限りません。多くの場合、適切な生活習慣の改善と定期的なフォローアップで、健康状態を改善・維持することが可能です。
当クリニックでは、皆様一人一人の状況に合わせた丁寧な説明と、最適な対応を提案いたします。健診結果について少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。早期の対応が、皆様の健やかな未来につながります。皆様のご来院を心よりお待ちしております。