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胸が痛い

心電図検査 (当院):
脈波検査や血管年齢も計測可能な
最新鋭機です

 「胸が痛い」「胸苦しさ」「胸が重い感じがする」など表現は様々ですが、胸痛は誰にでも起こりうる症状であり、その原因は様々です。重症度・緊急性・治療可能性などを考慮すると、1番に念頭に置くのは心筋梗塞・狭心症といった「虚血性心疾患」ですが 、心臓の問題だけでなく、肺や食道、筋肉の問題など、多岐にわたる可能性があります。そのため、適切な診断と対応が重要になります。
 当院は循環器内科を標榜していますが一般内科のクリニックでもあり、総合内科専門医の院長はじめスタッフも、循環器疾患のみならず内科疾患全般に症状に対応できる体制を整えています。「胸が苦しくて我慢できない」のであれば、当ページを読まずに当院に連絡・受診  して頂ければと存知ますが、今症状が少し落ち着いている方、受診する前に当院でどのような診療が受けられるのか知りたい方のため、当院での対応・考え方を説明させていただきます。

「問診」症状から病名・緊急度を判断します

 胸の痛みが我慢できない程強かったり、全身状態が著しく悪かったりしない場合、まずは痛みの性質をうかがいます。鋭い痛みか、鈍い痛みか、締め付けられるような痛みか、といった痛みの性状は、原因疾患を推測するのに役立ちます。痛みの強さ (1〜10段階) も個人差はありますが、重症度の判断に役立ちます。痛みの場所、たとえば胸の中心か、左右どちらかか、痛みが広がるか (背中、首、腕など。専門用語では「放散痛」などといいます) などで、心臓や血管の病気なのか、神経や筋肉の病気なのか、胃・食道や消化管の病気なのか、などが推測できます。痛みのタイミング、いつから始まったか、持続的か断続的か、何か特定の動作で悪化するか (呼吸をする、食事をしたり水分を取ったりする、腕や頚を動かす、横になったり体勢を変える、など)、も参考になります。随伴症状、といって胸痛と同時に出現する症状がないか、たとえば、息切れ、動悸、めまい、冷や汗、吐き気、嘔吐、咳、痰、などが伴わないかも聴取します。
 既往歴 (過去にかかったことがあったり、今治療中の病気のこと) があるかどうか、心臓病を現在治療中であったり、高血圧、糖尿病、高脂血症などのリスク因子があるかどうかは、心臓病・虚血性心疾患の可能性を判断するのに必要です。生活習慣、たとえば喫煙・飲酒をするか、適度な運動習慣があるか、ストレス状況や睡眠不足の有無なども参考になります。細かく聴取するため煩わしいかとおもいますが、これらの情報から胸痛の原因を推測し緊急性を判断します。

「診察」「検査」

 患者さん自身の情報を収集した後は、身体診察と検査を行います。
 バイタルサイン「血圧」「脈拍数」「呼吸数」「体温」を測定して、全身状態を把握します。胸部の聴診・触診、特に心音 (心臓の音) と呼吸音とで、心不全や弁膜症などの心疾患、喘息や肺気腫・COPDなどの呼吸器疾患の徴候を判別します。末梢の冷感や浮腫 (むくみ) の有無、頚静脈怒張の有無など、血管の情報も収集します。
 ここまでの問診・診察で必要な項目を絞り込んだ上で、検査を行います。当院はクリニックとしては最新鋭の技術・機器を導入しており、下記に関しては院内で対応可能です。

  • 心電図検査: 心臓の電気的活動を記録し、不整脈や心筋梗塞の兆候を調べます。
  • 胸部X線検査: 心臓の大きさ、肺の状態、大動脈の異常などを確認します。
  • 心エコー検査: 心臓の構造や機能、弁膜症の有無、心筋の動きなどを観察します。
  • ホルター心電図: 24時間以上の長時間心電図を記録し、日常生活での不整脈や虚血性変化を捉えます。
  • 血液検査: 心筋逸脱酵素(トロポニンTなど)や炎症反応、貧血の有無などを調べます。

これらの検査の結果を総合的に判断し、診断と適切な対応をご案内します。

「診断」考えられる主な疾患と対応

心エコー図検査 (当院):
単結晶プローベによる病院レベルの画像描出と、
スペックルトラッキングやAI補助による
詳細計測が可能な、最新鋭機です

  • 虚血性心疾患 (狭心症、心筋梗塞):冠動脈という心臓に酸素や栄養を運ぶ血管が、動脈硬化や血管攣縮で狭窄したり詰まってしまい、心臓に十分な酸素・栄養が届かなくなる病気です。クリニックでは、安静にして心臓の酸素需要を抑えたり、冠動脈を拡張する薬を使って対応しますが、重症度によっては血管内治療 (心臓カテーテル) が可能な連携病院に搬送となる場合もあります。
  • 肺動脈血栓塞栓症 (通称「エコノミークラス症候群」):足のふくらはぎや太腿の血管にできた血栓 (血の塊) が、何かの弾みで剥がれて飛んで、肺の血管に詰まった状態です。心不全症状や酸素不足がなければ抗凝固薬 (血液を固まりにくくする・サラサラにする薬) で対応しますが、重症度によっては連携施設での入院加療も検討します。
  • 不整脈:不整脈は、脈が速くなる・遅くなる・テンポが乱れる病気の総称です。一般には動悸や意識低下・失神の症状を訴える方が多いですが、場合によっては痛みを訴える方もいらっしゃいます。循環器専門医として、内服・注射を含めた抗不整脈薬で対応させていただきます。電気的除細動・カルディオバージョンといった通電治療や、アブレーションという冷凍・焼灼治療が必要な方に関しては、連携施設との協力が必要なこともあります。
  • 心筋炎、心膜炎:心臓の内外にウイルス感染が起こり、炎症を引き起こしたり液体を貯留させて、痛みをきたす病態です。パルボウイルスやヘルペスウイルスの仲間、コクサッキーB群ウイルス、新型コロナウイルス等が原因となります。解熱鎮痛剤と安静にて軽快することが多いですが、当院では心不全リスクなども判断しつつ、適切に対応させていただきます。
  • 大動脈解離などの大動脈疾患:全身に血液を送る大動脈の内膜・中膜が避けて激痛を起こす病態です。緊急性が高く心臓外科・血管外科での手術が必要となることも多いですが、迅速な診断と適切な降圧・安静等の対応も不可欠です。当院では連携施設と協力して、適切かつ迅速に対応させていただきます。
  • 胃食道逆流症、胃潰瘍・胃炎などの消化器疾患:食道が胸部の中央を通り、横隔膜直下に胃・十二指腸が位置することから、消化管の痛みを胸痛の訴えとなることも多々あります。当院では内視鏡・手術など消化器に特化した治療はできませんが、適切な消化管保護薬や胃酸分泌抑制薬を使い、症状の軽減とリスク管理に努めます。必要な場合には連携施設にも紹介致します。
  • 帯状疱疹:水痘 (みずぼうそう) のウイルスが再活性化することで生ずる帯状疱疹も、胸部の痛みの原因として忘れてはなりません。対応が遅れると、帯状疱疹後神経痛 (PHN) といって痛みがずっと残ってしまったり、視力障害や聴力障害などの合併症が起こることもあります。当院では帯状疱疹発症時に適切な薬物治療を行うとともに、50歳以上の方には自費ではありますが予防接種 も行っております。気軽にご相談下さい。
  • 筋骨格系の痛み:肋間神経痛や筋肉痛による痛みです。鎮痛剤や筋肉のこりをほぐす薬、物理療法の指導などで対応させていただきます。

胸痛がある・心配な方へのアドバイス

 胸痛を感じたら軽視せず、早めに受診してください。特に、強い痛みや息切れを伴う場合は緊急性が高いので、躊躇せず救急車を呼んでください。また、日頃から生活習慣の改善に努めてください。禁煙、適度な運動、バランスの取れた食事、ストレス管理は心臓病予防に重要です。定期的な健康診断を受けて、心臓病のリスク因子(高血圧、糖尿病、高脂血症など)をチェックしてください。既に他院に通院中の方なども含めて、処方された薬を指示通りに服用し、自己判断で中止しないでください。症状の変化や新たな症状が現れた場合は、すぐに相談してください。
 当クリニックでは、CTやMRI、カテーテル検査などの高度な検査はできませんが、問診、身体診察、そして可能な検査を組み合わせて、できる限り正確な診断と適切な初期対応を心がけています。必要に応じて、より詳細な検査や治療が可能な医療機関と連携し、患者さんに最適な医療を提供できるよう努めています。少しでも不安がある場合は、遠慮なくクリニックに相談してください。私たちは患者さんの健康と安全を第一に考え、最善の医療を提供いたします。

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